
島津家の19代当主・光久が別邸として造営した大名庭園だ。ガイドブックを開けば必ず載っている、鹿児島観光の王道スポットである。
宿がある霧島市周辺を観光することも考えたのだが、やはり初めて鹿児島を訪れたからにはここを外すわけにはいかない。
島津家の別邸へ
入場券は事前購入がおすすめ
10時前には着いたのだが、満車でこそないものの駐車場は結構埋まっていた。人気のほどが窺える。駐車料金 500円
予め
仙巌園入場券(御殿・尚古集成館を含む) 1,500円
行列と呼ぶほどではなかったが、券売所には順番待ちの列ができていたので、事前購入がおすすめ。
庭園内から望む桜島は必見
入口付近からしてすでに園内の広さが伝わってくる。それもそのはずで、1万5000坪もあるらしい。あまりピンとこないが、とにかく広いということだ。
さほどじっくり見学したわけではない我々夫婦でも1時間はかかった。
カフェでの休憩、尚古集成館の見学も含めるとざっと2時間は滞在したので、時間には余裕を見ておきたい。
入園してまず目についたのは、石垣のようなものの上に集まる人たちの姿。
世界遺産・反射炉跡だった。
島津斉彬が造らせたという、鉄製大砲を鋳造するための鉄を溶かす炉の跡だ。
現在は炉を支えるための基礎であった石組しか残っていないそうだが、基礎部分だけでこれだけ大きいということは、よほど大きな反射炉だったに違いない。
しかも当時は鎖国していたため、オランダの本だけを頼りに完成させたというのだから、薩摩藩の技術力の高さや近代化への熱意に驚きだ。
隙間なくぴったり並んだ石垣が美しい。
これは正門だが、現在は出入口としては使われていない。
門の上部には島津家の家紋・丸十紋がほどこされている。
立派な門だが、遠くから見るとやや地味な印象で、そのせいか素通りしていく人も多かった。
そんな正門とは打って変わって、鮮やかな朱色の錫門は多くの人の目を引いていた。
屋根瓦が錫で葺かれているから錫門。江戸時代の薩摩では、国内一の産出高を誇るほど錫が採れたらしい。
明治28(1895)年に上述の正門が造られるまでは、この錫門が正門で、当主とその世継ぎしか通れなかった。
今は誰でも通れるのでありがたく錫門を通ると、御殿が姿を現す。
しかし、中の見学は後のお楽しみにして、まずは桜島展望ポイントへ。
曇り空なのが残念ではあるが、それでも十分に美しい。
大名庭園というと、一般的には築山があって池があって…というイメージを持つ人が多いと思う。
半年ほど前に訪れた岡山後楽園はまさにそんな庭園だった。
ところが、ここ、仙巌園は違う。
築山も大きな池もないのである。
その代わりにあるのが桜島と錦江湾だ。
仙巌園の庭園には「借景」と呼ばれる、敷地外の自然を庭の景観として取り入れる技法が用いられており、桜島を築山に、錦江湾を池に見立てている。
この雄大な景色を借景にするとは、なんとも贅沢な話である。
望嶽楼は琉球国王から贈られたとされる中国風の東屋で、桜島を眺めるために設けられた。
さすが歴代の島津家当主が愛した庭園だが、さらに水力発電用ダム跡まであるのだから驚かされる。
アジサイがきれいに咲いていた。
しっとりとした雰囲気が庭園によく合う。
御殿前の庭から望む桜島も良かったが、このダム付近の展望ポイントからの眺めも圧巻だった。
お猫さまにお参り
猫好き必見スポットとしては、猫神社(ねこがみしゃ)がある。17代当主・島津義弘は慶長の役に出陣した際、7匹の猫を朝鮮に連れて行った。そのうち、帰国した2匹を「猫神さま」として祀っているのだとか。
なんでわざわざ戦場に猫を連れて行くんだ?と不思議に思ったが、猫の瞳孔の開き具合で時刻を知るためらしい。
歴代当主が過ごした御殿
続いて見学したのは、いよいよ御殿である。さあ、お殿様の暮らしぶりを見てみようではないか。
廊下からして重厚感が漂っている。
大河ドラマに登場しそう。
歴史好きならもちろん楽しめるであろう場所だが、そうでなくても室内や展示が豪華絢爛なので十分楽しいと思う。
黒漆の調度品は島津家の家紋入り。
篤姫を思い出すな~
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謁見の間はシャンデリアがあるからか、他の部屋とはちょっと雰囲気が違う。
島津のお殿様たちは海外の要人を招いてどんな話をしたんだろうか。
御殿の見どころは豪奢な室内だけではない。
中庭も美しく見ごたえ十分。
そして御殿から望む桜島は言うまでもない。
見学を終えて御殿を出たとき、近くにいた小さな女の子が親御さんに向かって言った。
「私もこんなおうちに住みたい」
思わず頬がゆるんだ。
部屋からは桜島が見えて、豪華な調度品に囲まれて…理想のおうちだ。
私も住めるものなら住んでみたい。
園内の和カフェで休憩
園内散策を終えた後は、「仙巌園茶寮」でひと休み。
わらび餅 1,200円
さりょくま 1,000円
前日に天文館むじゃきで白熊を食べたばかりだったので、夫に「またしろくま?」とツッコまれたが、美味しいものは何度食べても良い。
広い園内を歩き回った後の甘味は格別であった。
日本の近代化を支えた集成館事業
さて、園内の散策はこれで終わったが、このまま帰ってはいけない。仙巌園の入場料には「尚古集成館」の入場料も含まれているのだから。
島津家28代当主・島津斉彬が始めた近代的西洋式工場「集成館」にまつわる資料を展示するミュージアムである。
館内では島津家に代々伝わる品が展示されている。
かつての機械工場で実際に稼働していた工作機械なども並んでいた。
幕末期の最先端技術が集成館に集結したのだと思うとワクワクする。
島津家が幕末の歴史を語るうえで欠かせない存在だということは理解していたつもりだが、今回展示を見て、その影響力の大きさを改めて感じた。
仙巌園は庭園と御殿だけでも十分魅力的だが、島津家や集成館事業の歴史を知るといっそう面白くなるだろう。
仙巌園
住所:〒892-0871 鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
TEL:099-247-1551
営業時間:9:00〜17:00(最終入場16:30)
休業日:3月の第1日曜日
https://www.senganen.jp/
仙巌園見学後に訪れたい
島津家ゆかりの場所と言えば、「スターバックスコーヒー鹿児島仙巌園店」もそうだ。明治期に建てられた洋館「旧島津家芹ヶ野金山鉱業事業所」をリノベーションしている。
ここのスタバは「リージョナルランドマークストア」という、地域を象徴する場所や建物に設計された特別な店舗なのだ。
尚古集成館から歩いて5分もかからないので、仙巌園・尚古集成館を観光した際にはぜひ立ち寄ってほしい。
建物には当たり前のように島津家の家紋。スタバの看板はおなじみのものだ。
店内はレトロとモダンが融合したおしゃれ空間。
バナナアフォガートフラペチーノ 637円(税抜)
スターバックスラテ(Short) 437円(税抜)
スターバックスコーヒー鹿児島仙巌園店
住所:〒892-0871 鹿児島県鹿児島市吉野町9688-1
TEL:099-248-6551
営業時間:08:00~21:00
定休日:不定休
https://www.starbucks.co.jp/
感想
仙巌園は非常に満足度の高い観光スポットだった。桜島と錦江湾を借景とした風景は他ではなかなか味わえないし、明治日本の近代化の歩みも学べる。
園内には日本人はもちろん外国人観光客の姿も目立ち(と言うより、外国人観光客がほとんどだった)、多くの人を惹きつけていたが、それも納得の充実ぶりであった。
実はこの記事を書きながら後悔したことが一つある。
御殿の御居間から見える庭と桜島の写真を撮り損ねたのだ。
お殿様気分で机の前に座って、目の前に桜島が広がる贅沢を味わいたかった…!
次回は思う存分お殿様気分に浸れるよう、今から島津家の歴史をもっと学んでおこうと思う。
※価格は税込表記です。
※記事に掲載した内容は2026年5月時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報の確認をしてください。
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仙巌園 |
鹿児島旅行2日目は宿を9時にチェックアウトし、今回の旅行最後の目的地「名勝 仙巌園」に向かった。





























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