そんな中、私は夫と天王寺動物園にいた。
本来なら閉園しているはずの時間だが、この日はナイトZOO開催日。普段は昼間にしか会えない動物たちの、夜の顔を見られるというイベントだ。
昨年初めてナイトZOOを訪れて、その楽しさにハマり、今年もわざわざ人混みの中に足を運んだわけである。
入口前のチケット売り場には行列ができていたが、我々は事前に
するする~っと入場ゲートを通過して園内へ。
入園料
大人(OSAKA PiTaPa、エンジョイエコカード提示割引) 450円
ナイトZOOといっても17時台なので外はまだ明るい。
最初に向かったのは「ふれんどしっぷガーデン」。ヤギやヒツジがいる。
ここを通り抜けると、人だかりができていた。
大勢の人の視線の先にはホッキョクグマ舎。
岩場でおもちゃを持ってごろごろ転がったり、ざぶんと水の中に飛び込んだり。うだるような暑さの中で、意外にもホッキョクグマは活発に動き回っていた。
「鳥のセカイ」では、ツルの仲間たちが綺麗な白い羽を自慢げに広げたりしていた。
ひときわ私の目を引いたのがホオジロカンムリヅル。動くたびに頭上の飾りがきらきら輝いて、まるで舞台の主役のような存在感があった。
夫はといえば、鳥にはあまり興味がなかったのか、「アフリカサバンナゾーン」へ向かっていた。
このゾーンは「ンザビ国立公園」と名付けられている。サバンナの環境を再現しているらしく、確かに緑が多く生い茂り、岩山なんかもあったりして、ちょっとした探検気分である。
カバ舎に行ってみると、ちょうど一頭のカバがぬるりと水から顔を出した。
しばらくじっとしていたかと思うと、突然、大きな口をゆっくりと開け始めた。あくびだ。
口は驚くほど大きく開き、その間から歯がちらりと見える。その姿はどこかユーモラスで愛嬌がある。
ゆっくりと口を閉じて、とろんとした表情で静止したかと思うと、また水の中に潜っていった。
草食動物の展示コーナーでは、遠くにちらりとキリンが見えた。
残念ながらキリンは我々の近くには来てくれなかったが、代わりにグラントシマウマが元気よく草原を駆ける姿を見ることができた。
シマウマの縞模様って「かえって目立つんじゃ…?」と思っていたが、こうして写真で見ると案外カモフラージュ効果があるように思えてくる。
さらに進むと、肉食動物の展示コーナーとなる。
近くにいた子どもが「可愛い~!」とはしゃいでいたので、何かと思って覗いてみたらブチハイエナだった。
なんて幸せそうな寝顔!癒される…!
メスのライオンもおくつろぎ中。
そこへ、オスライオンが足取り軽やかに近づいてきた…と思った瞬間、メスライオンに飛び掛かり、前足でメスライオンの体をつつき始める。
遊び相手を探しているような様子だ。
が、メスライオンは「またお前か」とでも言いたげな顔をして相手にしない。
オスライオンは諦めたのか去っていった。どこかしょんぼりして見えるのは気のせいだろうか。
そういえば、昨年のナイトZOOではライオンたちはずっと寝ていたので、「寝てるな〜」という感想しか残らなかったが、今年はじゃれ合う姿が見られたので嬉しい。
ンザビ国立公園を通り抜けた先にも獣舎が並ぶ。
大きな体をしなやかに揺らしながら歩くアムールトラがいた。
さすが、王者の風格がある。
段ボールを不思議そうに見つめるチュウゴクオオカミは、どこか犬っぽく見える。
夫は「可愛い」と繰り返す。確かに、ぬいぐるみにしたくなる愛らしさだ。
そして、天王寺動物園といえばレッサーパンダ!細い板の上を器用に走り回っていた。
まんまるモフモフの姿はどれだけ見ても見飽きない。
レッサーパンダ舎を後にする頃には、空はすっかり群青色に染まり、園内の照明が幻想的な雰囲気を醸し出していた。
夫と「やっとナイトZOOっぽくなってきたね」と話す。
…が、暑い中歩き回ったせいか、どっと疲れが出てきた我々。
まだ見ていない動物はたくさんいたが、最後に「ペンギンパーク&アシカワーフ」を見て帰ることにした。
よちよち歩きが可愛いイメージのペンギンだが、波紋がゆらゆらと揺れる中すいすい泳ぐ姿は、とても優雅で見入ってしまった。
ナイトZOOは動物たちの夜の顔に出会う場所。
そして、私たち人間が日々の喧騒を忘れて、静かに心を落ち着ける場所でもあるのかもしれない。
天王寺動物園
※価格は税込表記です。住所:〒543-0063 大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-108
TEL:06-6771-8401
営業時間:9:30~17:00(入園は16:00まで)
定休日:月 ※休日にあたる場合は翌日
https://www.tennojizoo.jp/
※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報の確認をしてください。


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天王寺動物園 |
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