大阪・井川みかん園で楽しむ星空みかん狩り

11月の16時過ぎ、夕方とはいえ空がまだ青い時間帯。私は夫と一緒に井川みかん園に向かっていた。
お目当ては、ちょっとロマンチックな「星空みかん狩り」だ。

水間鉄道「三ヶ山口」駅から歩くこと約30分。みかん園に着くと太陽は分厚い雲に覆われて、空気が肌寒い。
そんな秋の空気を吸い込みながらみかん園に入ると、緑の葉の間から黄金色の果実が鮮やかに浮かび上がっていた。

くるくるっとひねって、みかんを一つもいでみる。前日雨が降ったためにみかんは濡れていて、少しひんやりしていている。
やや硬い皮をむくと爽やかな香りがふわりと広がった。酸味が強めだが、すっきりとした甘さで美味しい。

17時近くになると日が沈み始め、空がオレンジに色づく。夕焼けに染まるみかん園…美しい。
みかん狩り客は我々夫婦も含め3組だけだったので、静かにその美しさを堪能できた。

そして私は期待していた。「星空みかん狩り」というプラン名に見合う星空の迫力を。
ところが実際に空を見上げると、雲が多く星はどうにも望み薄。

少しだけ落胆しつつみかんを黙々と食べていた、そのときだ。
夫が「もうすぐ始まるで」と私の肩をたたいた。
慌てて空を見上げると、赤や金の光が花開いた。ちょうど大阪芸術花火の日だったのだ。

花火大会の日を狙ってみかん狩りに来たわけではなく、たまたま。
入園時にスタッフさんが「花火も見て行かれますか？」と声をかけてくれたおかげだ。

それにしても、星空みかん狩りに来て、星ではなく花火に心を奪われるとは。
なんだか街で思いがけず芸能人を見かけみたいで嬉しい。
最後まで花火を見ていたかったけど、体が冷えてきたので帰ることに。

偶然出会った花火にこの日の主役を持っていかれた感じもするけど…
それでもやっぱり、みかん狩りは楽しかったよ。


※価格は税込表記です。
※記事に掲載した内容は2025年11月時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報の確認をしてください。

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