京都・蹴上浄水場で映画「花まんま」気分を味わうつもりが…
映画「花まんま」を見て、劇中のつつじの美しさに目を奪われた。 大きくて鮮やかな赤やピンクの花が斜面いっぱいにみっしりと咲く「ツツジの公園」のシーンにはインパクトがあった。 劇中の「ツツジの公園」はどうやら京都の蹴上浄水場がロケ地らしいという情報を得て、我々夫婦も映画と同じつつじが一面に広がる景色を見ようと、意気揚々と蹴上浄水場へ行ってきた。 ここはつつじの名所として名高く、つつじのシーズンには数日間だけ一般公開される。 「蹴上のつつじ」一般公開 ~ソスイとツツジとワタシとフジと~ 2025年4月25日(金)、26日(土)、27日(日)※荒天中止 9:00~16:00(最終入場15:30) 「映画よかったな」 「鈴木亮平と有村架純もここに来てんな~」 などと言いながら坂を登る。道中には高そうな一眼レフを持った人、地元の人らしき年配の夫婦や子ども連れのファミリーなどがちらほら。 濃いピンク色のつつじが綺麗だ。 だが、である。 見えてきた浄水場の斜面は… ほぼ緑だった。 目に付くのはつつじの花ではなく葉ばかり。無限に広がるみどり、みどり、みどり。 目を凝らすと、ところどころにピンク色が申し訳程度に顔を出している。 だが、ほとんどは蕾。 ちょうど近くにいた老夫婦が「今年はあかんな」と話しているのが聞こえてきた。 私たちが訪れたのは3日間ある一般公開の2日目であったが、3日目に行ったとしても景色は変わらなかっただろう。 劇中の満開のつつじは本物なんだろうか。もし本物だとしたら撮影するの大変だったろうな〜なんて考えてしまう。 しかし、まったく収穫がなかったわけではない。蹴上浄水場は山の斜面にあるため、そこから見下ろす京都の街並みが非常に美しい。 緑がまぶしく空気も爽やかで、ハイキングにはもってこい。 そして何より、浄水場内の雰囲気が良い。 レンガ造りの建物は重厚でお洒落な感じがするし、太陽光発電パネルや急速ろ過池など、普段は見ることのできない設備を見ることができるというのは面白い。 与謝野晶子の歌碑。 なんでも蹴上浄水場の一帯はかつて粟田口と呼ばれていて、与謝野晶子が夫とともに粟田山麓の旅館「辻野」に宿泊したときに詠んだ歌らしい。 最後、まだ蕾状態のつつじのト...